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ソバの実に含まれている栄養素とその効果まとめ

●ソバの実とはどういう食品?

ソバの実とは、タデ科ソバ属の植物であるソバになる種子の事です。ソバの原産は中国南部とされており、日本においては、縄文時代後期~弥生時代の遺跡よりソバの実が発見されている事から、少なくともそれより以前には栽培・食用にされていたと考えられています。

一方、ソバの実から作られる蕎麦粉を利用した、いわゆる麺類の「蕎麦」に関しては、16世紀後半~17世紀にかけて生まれたとされています。それまで蕎麦は粒のまま粥(かゆ)にしたり、粉を捏ねて餅状にした「蕎麦掻き」などがメインでした。特に平安時代においては、蕎麦は食料が不足した際の「貧民の食べ物」として扱われており、位の高い人たちの間では「蕎麦が食用」という事すら知らない人も多かったそうです。

それが麺類としての蕎麦が登場すると、急速に需要が高まっていきます。特に江戸時代中期からは階級関係なく広く親しまれ、日本人にとっての日常的な食べ物として強く定着していきます。

 

●ソバの実に含まれている栄養素

ソバの実には糖、蛋白質ビタミンB1ナイアシンパントテン酸、ビタミンB6、カリウムマグネシウム亜鉛、鉄、銅、食物繊維(全層粉・全粒粉・挽きぐるみに限る)などの栄養素が、いずれも豊富に含まれていると言われています。

穀類の中でも栄養価が高い事で知られるライ麦と比べてみると、糖・脂肪・蛋白質ビタミンB1カリウムは同程度、ナイアシンパントテン酸・ビタミンB6・マグネシウム・リン・銅はソバの実、ビタミンB2葉酸・鉄・亜鉛・食物繊維はライ麦という感じになっています。

このようにソバの実は穀類の中でも非常に高い栄養価を誇っています。特にこれらの中ではマグネシウムの含有量が高いという特徴があります。マグネシウムはカルシウムと共に骨の形成に必要な他、様々な代謝に関与する重要なミネラルです。必要量の多いミネラルのため、ソバの実が重要な摂取源になる可能性があります。

 

●ルチンとケルセチン

ソバの実には「ルチン」という成分が含まれています。ルチンはケルセチンの配糖体で、抗酸化作用のあるフラボノイドの一種(フラボノイドはポリフェノールの一種)です。特にこのルチンやケルセチンでは、免疫を維持する作用や血管の健康を維持する作用などがあると言われています。

一方、ルチンは麺類として加工されるソバの品種では含有量が少ないですが、ダッタンソバ(中国やモンゴルなどに自生しているソバの品種)という品種に多く含まれているようです。

ただしダッタンソバにはルチンを分解する酵素も多く含まれており、蕎麦に加工する際、水を加える事で容易に加水分解され、遊離したケルセチンになります。実はこのケルセチン、強烈な苦味をもたらします。そのためダッタンソバを使った蕎麦では、ケルセチンが含まれるほど苦味が強くなります。このため水を加える前に熱を加え、ルチンを分解する酵素の活性を失わせる必要があります。よって苦味の薄いダッタンソバはルチンの摂取にはオススメの食品です。

 

●ソバの実の欠点を考える

ソバの実において欠点となるのは糖質の豊富さに比べて蛋白質の含有量が少ない事(必須アミノ酸のバランスも欠けている)です。特に蕎麦は我々日本人にとっては非常に身近な食べ物ですが、それ故に「蕎麦だけを食べてその食事を終える」という事も多く、それ故に栄養バランスに偏りが出る原因になっています。

これは蕎麦に限った事ではありません。白米、たこ焼き、もんじゃ焼き、おにぎり、ラーメンなどもそうです。炭水化物の量とそれ以外の量が合っていないのです。穀類を主食にする場合にはその量に合わせて蛋白質を多く含む食品(肉、卵、魚、大豆、乳。特に動物性の食品がオススメ)を追加し、またそれらの栄養価に合わせて植物性の食品(野菜、果物、キノコ、海藻。特にβカロテンやビタミンCを含む食品)も追加して、全体のバランスを取るようにしましょう。

それ以外の栄養価では見た目は隙がないように見えますが、例えばビタミンの中ではビタミンA、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンEが欠けており、ミネラルではカルシウムが欠けています。しかもミネラルにはリンが多く含まれており、リンは過剰摂取するとカルシウムの吸収を阻害します。よってそれらは別途補給しなければならないでしょう。何より注意すべきなのは、前述の栄養価の高さは「他の穀類と比べた場合」の話だという事です。確かに栄養価は高いのですが、例えばビタミンB1なら豚肉、鉄分ならゴマというように、それぞれを多く含む食品と比べるとその含有量は劣ります。

 

●ソバの実の食べ方

ソバは蕎麦に加工するよりもソバの実のままの方が栄養価が高いため、栄養補給を目的とする場合にはソバの実(実を食べる場合は外の皮は取る)をそのまま食べる事が重要です。ミキサーにかけて粉末状にして飲み物に混ぜたり、そのままふりかけに混ぜたり、あるいは水分の多いソースに混ぜて調味料として利用する事ができます。そのように栄養価が高いので、他の食品に混ぜる事で簡単に栄養価を高める事ができるでしょう。ソバ粉を蕎麦に加工する場合には全粒粉あるいは全層粉が良いでしょう。前述のようにダッタンソバのソバ粉がオススメです。

ダッタンソバはそのまま作ると水を加えた後に苦味が強くなってしまうので、水を加えて捏ねる前に熱を加える必要があります。つまり粉の状態の時に熱を加える必要があるので、耐熱性の大きなボウルがあるなら、そこに水を入れて電子レンジで加熱します。ただしこの時の加熱は容器を温める意味があるので、実際に使う水の量はダッタンソバ粉が100gなら50mlとなります。ボウルから水を別の容器に移してから水の量を計測し、空になったボウルへダッタンソバ粉を入れ、少しずつ熱したお湯を加えながら、火傷をしないよう最初は棒などで混ぜましょう。そして徐々に手で捏ねて、全てのダッタンソバ粉と水を入れたら、ボウルから出して広い場所に移し、ひらすら捏ねます。

よく捏ねた後は通常のソバと同じで、棒で薄く伸ばし、それを畳んで包丁で均等に切るだけです。そして茹でるのですが、茹でるまでの工程をできるだけ短くする事でも更に苦味が抑えられます。温度が下がると残っていた酵素の働きで反応が進み、苦味が強くなるためです。また更に苦味を抑えたいなら、ダッタンソバ粉の量を半分にし、その代わりに通常のソバ粉またはつなぎ粉100gを一緒に混ぜて捏ねると良いでしょう。その場合は水の量を倍に増やします。ダッタンソバ粉100g+繋ぎ粉100g+水100mlという感じです。他、実はホームベーカリーでも作る事ができるものがあります。ただしダッタンソバで同じようにできるかは不明です。通常のソバのように作ると苦いかもしれません。

尚、ソバのその他の利用法としては、ソバの実から新芽を出したソバの実スプラウトも利用する事ができます。ソバの実(無加工・皮付き)をキッチンペーパーの上に均等に並べ、水を冷やして数日待つと芽が出ます。根がピンク色になり、高さが5cm程度になったら収穫し、少し水洗いして根を切り、サラダなどに混ぜると良いでしょう。

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