マカの効果と摂取方法まとめ

マカとは？

マカはアブラナ科レピディウム属の植物の事です。原産はペルーなど南米の高山地域（4000～5000m）とされ、現在から2千年前のインカ帝国時代から利用されてきたと考えられています。マカでは主に根が利用されます。乾燥させると5年以上持つとされており、保存食としても重宝されているようです。

マカは植物として紫外線、乾燥、温度差などに強く、厳しい環境でも生育させる事ができます。ただし成長には十分な栄養が必要であるため、生育後は土の栄養を全て吸い取って不毛の地にしてしまうそうです。ちなみに日本でマカをそのまま食べる事は殆どありませんが、南米では乾燥させたマカを肉や野菜などと煮込んで食べる事があります。またマカを野菜や果物などと一緒にジュースにしたり、牛乳に混ぜたり、クッキーなどお菓子に混ぜる事もあるようです。

マカに含まれている栄養素

そんなマカにはカルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛などのミネラルが、いずれも豊富に含まれていると言われています。どうやらミネラルの栄養価が高いという事は確かなようです。またマカは植物性の食品の中では蛋白質が豊富で、アルギニンなど様々な種類のアミノ酸が含まれていると言われています。ただし意外な事に蛋白質の総量は大豆と比べれば半分以下です。マカでは「アミノ酸が豊富」とよく言われますが、実際にはそのように特別多い訳ではありません。

特にマカでは「精力をつける」という事で有名です。しかしそのようにアルギニンなどのアミノ酸の総量は大した事がない事から、おそらくマカで期待されている作用の多くは、亜鉛などのミネラルによるものと、「マカ＝精力がつく」と強く信じ込む事による効果（プラシーボ効果）が大きな要因になっていると考えられます。

またビタミンに関しては、糖の代謝を補助する役割があるビタミンB1を豊富に含んでいると言われています。おそらくこれも、マカで謳われている作用の元になっていると考えられます。一方、ビタミンB1以外のビタミンでは、ビタミンB群やビタミンEなどが含まれているという情報はありますが、大きく突出している訳ではないようです。

この他、マカには「グルコシノレート」という成分も含まれていると言われています。このグルコシノレートはアブラナ科の植物には一般的に含まれているもので、摩り下ろすなどの物理的な刺激が与えられた時、酵素の働きによって変化した辛味成分の一種です。マカは香辛料としても利用されている事から、特有の辛味はこの成分が元になっていると考えられます。特にこのグルコシノレートには胃腸の働きを補助する作用などがあると言われています。

マカの摂取方法と利用価値

マカを「亜鉛を摂取する」という事を目的にして利用する場合、利用価値はあると思います。ただし亜鉛の摂取量の目安は1日10mg～多くて30mgまでです。これを摂取できないマカのサプリメントを利用するなら、亜鉛単体を摂取できるサプリメントを利用した方が良いと思います。またアルギニンを摂取したい場合も、前述のようにマカに含まれているアミノ酸の総量は実際にはそうでもない事から、アルギニン単体を補給する事ができるサプリメントを利用した方が効率が良いと思われます。

この他、マカではビタミンの栄養価が欠けています。当然マカだけでは栄養バランスが損なわれる可能性があるため、ビタミンに関しては別途補給が必要になります。マカのサプリメントの中には後からビタミンやミネラルを添加した商品もありますが、大抵のサプリメントでは含有量が微妙です。それをサプリメントを利用するなら、最初からマルチビタミン・ミネラルを利用した方が効率が良いと思います。よってマカのサプリメントを利用する価値がないとまでは言いませんが、人・目的によって利用するようにしましょう。

マカでは粉末、カプセル、錠剤など様々なサプリメントがあります。もしサプリメントとして利用する場合、摂取量の目安は特に定められてはいませんが、1日多くて4g（4000mg）程度まで、ミネラルの過剰摂取が心配な場合には1日1～2g程度までが無難と思われます。可能ならば食事の回数に合わせ、毎食時に小分けにして摂取すれば無難でしょう。香辛料として利用される事があるため、粉末状なら料理や飲み物などに混ぜて利用しても良いと思います。

尚、寝る前に飲むと、人によっては興奮して眠れなくなる事があるようです。これは前述のようにマカの効果を強く信じ、そういう目的で利用する事による精神的な作用が大きく、実際、それによって効果が強く現れる事があります（プラシーボ効果）。マカをそういう「ここぞという時」に使う人も多いですが、健康の事を考えれば、個人的には寝る前は避けた方が良いと思われます。