独眼流サプリメント大全

各種サプリメント・栄養素に関する情報を管理人独自の視点でまとめています。

リンの効果と摂取方法まとめ

リンは主要ミネラルの一種です。特にリンは骨及び歯に多く含まれており、カルシウムと結合する事でリン酸カルシウム、マグネシウムと結合する事でリン酸マグネシウムとなり、骨の強度を高める役割があります。そのためリンはカルシウムと並び、人体に必須とされているミネラルの中でも非常に必要量の多いミネラルです。

また糖を代謝する過程(解糖系)や、糖及び脂肪酸代謝するクエン酸回路では、「ATP(アデノシン三リン酸)」という物質が作られます。リンはこの構成要素としても重要です。特に筋肉では「クレアチンリン酸」として、ATPの元になるリン酸を貯蔵しておく事ができます。これによって運動時にATPの供給を素早く行い、大きな筋力を発揮する事ができます。

一方、リンは動植物問わず、様々な食品に含まれていため、よっぽど極端な食事制限をしていたり、運動量や筋肉量が多い人以外、不足する事はめったにありません。むしろリンは加工食品に食品添加物の形で含まれている事が多く、現代人では過剰摂取のリスクがあります。リンを過剰に摂取すると、逆に骨からカルシウムを溶け出させたり(コーラで歯が溶ける話とは別)、筋肉のスムーズな収縮を妨げる(エネルギー代謝に使われたリンが、神経伝達に使われるカルシウムと結合する)と言われています。このため食事を全て加工食品にするのではなく、一部を自然の食材のみで作る手料理にし、摂取量を調節する必要があると思われます。

ただしどれだけリンを避けようとしても、そのようにリンは一般的な食品にはまず普通に含まれているミネラルです。過度に避ける必要は全くありません。むしろリンを過度に避けようとする事では、毎日の食事がかなり不自由になってしまいます。リンを過剰摂取する事よりも、そのストレスによるデメリットが大きいため、ある程度の線引きが必要です。「手料理=健康」という考え方に囚われすぎないよう注意しましょう。

またそのようにリンは骨に使われているため、カルシウムやマグネシウムの摂取量が増えれば、必然的にリンの必要量が増える事になります。逆にリンの摂取量が増えれば、カルシウムやマグネシウムの必要量が増えます。特に両者の必要量が多くなるのが成長期・思春期です。体を大きくするためには、やはり手料理だけに固執せず、「必須栄養素のバランスを考えた上で、とにかくたくさん食べる」という事が重要になるでしょう。

カリウムの効果と摂取方法まとめ

カリウムは主要ミネラルの一種です。主要ミネラルとは簡単に言えば必要量の多いミネラルの事で、主要ミネラルの中ではカルシウムとリンに次いで3番目に多いミネラルとなっています。当然人体にとってなくてはならない栄養素の一つです。

このカリウムには細胞内外にある水分の量を調節する役割があり、細胞内から水分やナトリウム(塩分)を外へ排出する作用があると言われています。特に細胞内外では「濃度差」によって様々な反応が起こります。例えば細胞外の濃度が高くなると、細胞内にある物質を外に運び出す事ができます。逆に細胞外の濃度が低くなると、細胞外にある物質を細胞内へ運ぶ事ができます。これにより細胞内外で物質を交換する事ができるのです。その際、細胞外の濃度を高めるのがカリウム、細胞内の濃度を高めるのがナトリウムです。

また細胞内外の濃度に「変化」が生まれると、それによって「電位」も変わります。それによりプラスの電荷を持つ物質(水素イオン)が多い場所ほど電位が高くなり、電位の高い場所から低い場所に電気が流れる性質が生まれます。そうして電位が順に伝わる事では同時に情報を伝達する事もでき、それを利用して神経伝達を行います。例えば筋肉を収縮する際にはカリウムが刺激となり、筋小胞体からカルシウムが放出され、これが筋肉内に取り込まれます。これによって筋肉は収縮するスイッチが入ります。逆にカリウムが放出され、ナトリウムが取り込まれると、筋肉内のカルシウムが放出されて筋小胞体に戻り、筋肉が弛緩します。これらの調節にカリウムが深く関わっています。ちなみにこの時にカルシウムと逆の働きをするのがマグネシウムです。

尚、汗にはナトリウムが含まれており、その排出にはカリウムが関係していますが、実は汗の方にもカリウムが含まれています。このため発汗量が多くなるとカリウムの必要量が増えます。またそのようにカリウムは神経伝達に関与しているため、脳の活動量が増えたり、運動量が増える事でも必要量が増えます。更に加工食品や海産物などナトリウムを多く含む食品を食べる習慣がある場合にも当然必要量が増えます。カリウムは植物性の食品を中心として広く一般的に含まれているミネラルなので、極端な食習慣をしていない限り長期的に不足する事はありませんが、一時的に消費量が増える事では不足する可能性があります。

そうしてカリウムが不足すると、基礎代謝の低下、臓器の機能低下、浮腫、高血圧、血管及び心臓への負担増大などが起こると言われています。これは前述した役割が理由です。ただしカリウムだけを摂取すべきではありません。カリウムはナトリウム、カルシウム、マグネシウムと上手く連携する事で機能しているため、それらのミネラルをバランス良く摂取する事が重要です。特にカリウムでは「カリウムを摂取する=健康に良い」と言われる事が多く、カリウムだけを摂取しようとすると、逆に栄養バランスに偏りが出てしまう可能性があります。何事も極端は良くありません。

 

ちなみにカリウムの1日の必要量は、成人男性で3000mg以上(3g)、女性で2600mg以上(2.6g)と言われています。またカリウムを多く含む食品としては、野菜・果物全般(カボチャ、モロヘイヤ、シソ、ホウレン草等)、芋類全般(里芋、サツマイモ等)、大豆製品全般(特にキナ粉と納豆)、魚類・貝類・海藻類全般(特にヒジキ、ワカメ、アオサ、コンブ等)、ナッツ類全般、キノコ類全般(特に椎茸)などがあります。不足が心配ならこれらを食べると良いでしょう。

特に海産物(魚類、貝類、海藻類、甲殻類)はナトリウムが多いため、それら植物性の食品と一緒に食べるようにしましょう。一方、タケノコは味付けに塩を大量に使っていたり、ホウレン草はカルシウムの吸収を阻害するシュウ酸が含まれていたり、芋類は糖質が豊富だったり、ナッツ類は脂肪が豊富だったり、野菜・果物・キノコ類は全体の栄養価が低いものが多いです。まぁ言い出したらキリがありませんが、やはりカリウムばかりに注目するのではなく、全体の栄養バランスを考えましょう。

ナイアシンの効果と摂取方法まとめ

ナイアシンはビタミンB群の一種で、ニコチン酸とニコチンアミドの総称です。このニコチン酸とニコチンアミドは食品から摂取する事ができますが、実はどちらも必須アミノ酸であるトリプトファンから肝臓内で合成する事ができます。またナイアシンは腸内細菌によっても合成され、体の中から補う事ができます。そのため人体にとって必須のビタミンでありながら、不足するリスクは低いビタミンと言われています。

一方、トリプトファンからナイアシンを作る際には、トリプトファンニコチン酸を使ってニコチンアミドへと変換しているのですが、その代謝を行う過程で「NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」という物質が作られます。このNADは糖や脂肪酸からエネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)を作るために必要な「解糖系やクエン酸回路」の中で働く補酵素として重要です。このためナイアシンが不足するとエネルギー代謝がスムーズに行えなくなります。またトリプトファンからナイアシンを作る際にはビタミンB6も必要になります。ビタミンB6はアミノ酸代謝に深く関わるビタミンであり、運動量が多かったり、筋肉量が多い場合、その不足がナイアシンの不足に影響する事があります。

この他、NADは「サーチュイン」を活性化させる作用があると言われています。サーチュインは酵素の一種で、細胞核の中にDNAを折り畳んで収納する機能を持つ「ヒストン」と、遺伝子情報が含まれている「DNA(デオキシリボ核酸)」を結合させ、遺伝子の発現を制御する役割を持っていたり、エネルギー代謝で重要なミトコンドリア内で働く酵素の活性を制御するなどの役割があると言われています。一般的にはDNA情報をコピーする度に短くなる「テロメア」を保護する役割がある事でも知られており、これによってNADは細胞の寿命に関与するなどと言われる事があります。ただしNADの合成量は調節されており、ナイアシンを大量に摂取したからと言ってNADが増える訳ではありません。

尚、NADトリプトファンニコチン酸からの経路だけでなく、ニコチンアミドからニコチンアミドモノヌクレオチド(以下NMN)を経て作る事もできます。実はそのニコチンアミドからNMNを作る際の反応に「ニコチンアミドリボシド(略称NR)」というナイアシン誘導体が関与しており、これにNADを増やす働きがあるという事が言われています(現在ではまだ研究段階で、口からの摂取は吸収率が悪い。また「NR」。「NMN」とは異なる)。またNADは食事制限下でも増やす事ができるという研究があるようで、これが「摂取エネルギーの制限=長寿命」と言われる一つの理由になっているのかもしれません。ただし運動を行う事でもエネルギーが制限された状態を作り出す事はできるため、一概に食事制限だけで長生きに繋がるとは言えません。

 

少し脱線しましたが、そんなナイアシンを豊富に含む食品としては、例えば魚卵(タラコ)、マグロ、カツオ、イワシ、サバ、ブリ、豚・牛のレバーなどが挙げられます。つまり魚が代表的です。ただしナイアシンは熱に弱いと言われているため、加熱調理では失われてしまう可能性があります。効率良く摂取するためには生魚(寿司)が良いと思われます。定期的に食べるようにしましょう。

人によってはサプリメントを利用するのも良いでしょう。摂取量は1日数10mgが目安です。過剰摂取では一時的に皮膚炎のような痒みを引き起こす事もありますが、水溶性であり、過剰分は排出されるため、これは危険な副作用ではありません。心配ならば最初は少ない量で様子を見て、何か異常が出るなら少し休止し、落ち着いたら少しずつ再開させると良いでしょう。

一方、ナイアシンは体内でホモシステインという物質を増加させる事があります。ホモシステイン脂肪酸と結合し、酸化されると、動脈硬化の原因になるという事が指摘されています。その蓄積を防ぐためには、ホモシステインからシステイン及びメチオニンへの変換に関与するビタミンB6、ビタミンB12葉酸を一緒に摂取する事が重要になると思われます。

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