独眼流サプリメント大全

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ナイアシンの効果と摂取方法まとめ

ナイアシンはビタミンB群の一種で、ニコチン酸とニコチンアミドの総称です。このニコチン酸とニコチンアミドは食品から摂取する事ができますが、実はどちらも必須アミノ酸であるトリプトファンから肝臓内で合成する事ができます。またナイアシンは腸内細菌によっても合成され、体の中から補う事ができます。そのため人体にとって必須のビタミンでありながら、不足するリスクは低いビタミンと言われています。

一方、トリプトファンからナイアシンを作る際には、トリプトファンニコチン酸を使ってニコチンアミドへと変換しているのですが、その代謝を行う過程で「NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」という物質が作られます。このNADは糖や脂肪酸からエネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)を作るために必要な「解糖系やクエン酸回路」の中で働く補酵素として重要です。このためナイアシンが不足するとエネルギー代謝がスムーズに行えなくなります。またトリプトファンからナイアシンを作る際にはビタミンB6も必要になります。ビタミンB6はアミノ酸代謝に深く関わるビタミンであり、運動量が多かったり、筋肉量が多い場合、その不足がナイアシンの不足に影響する事があります。

この他、NADは「サーチュイン」を活性化させる作用があると言われています。サーチュインは酵素の一種で、細胞核の中にDNAを折り畳んで収納する機能を持つ「ヒストン」と、遺伝子情報が含まれている「DNA(デオキシリボ核酸)」を結合させ、遺伝子の発現を制御する役割を持っていたり、エネルギー代謝で重要なミトコンドリア内で働く酵素の活性を制御するなどの役割があると言われています。一般的にはDNA情報をコピーする度に短くなる「テロメア」を保護する役割がある事でも知られており、これによってNADは細胞の寿命に関与するなどと言われる事があります。ただしNADの合成量は調節されており、ナイアシンを大量に摂取したからと言ってNADが増える訳ではありません。

尚、NADトリプトファンニコチン酸からの経路だけでなく、ニコチンアミドからニコチンアミドモノヌクレオチド(以下NMN)を経て作る事もできます。実はそのニコチンアミドからNMNを作る際の反応に「ニコチンアミドリボシド(略称NR)」というナイアシン誘導体が関与しており、これにNADを増やす働きがあるという事が言われています(現在ではまだ研究段階で、口からの摂取は吸収率が悪い。また「NR」。「NMN」とは異なる)。またNADは食事制限下でも増やす事ができるという研究があるようで、これが「摂取エネルギーの制限=長寿命」と言われる一つの理由になっているのかもしれません。ただし運動を行う事でもエネルギーが制限された状態を作り出す事はできるため、一概に食事制限だけで長生きに繋がるとは言えません。

 

少し脱線しましたが、そんなナイアシンを豊富に含む食品としては、例えば魚卵(タラコ)、マグロ、カツオ、イワシ、サバ、ブリ、豚・牛のレバーなどが挙げられます。つまり魚が代表的です。ただしナイアシンは熱に弱いと言われているため、加熱調理では失われてしまう可能性があります。効率良く摂取するためには生魚(寿司)が良いと思われます。定期的に食べるようにしましょう。

人によってはサプリメントを利用するのも良いでしょう。摂取量は1日数10mgが目安です。過剰摂取では一時的に皮膚炎のような痒みを引き起こす事もありますが、水溶性であり、過剰分は排出されるため、これは危険な副作用ではありません。心配ならば最初は少ない量で様子を見て、何か異常が出るなら少し休止し、落ち着いたら少しずつ再開させると良いでしょう。

一方、ナイアシンは体内でホモシステインという物質を増加させる事があります。ホモシステイン脂肪酸と結合し、酸化されると、動脈硬化の原因になるという事が指摘されています。その蓄積を防ぐためには、ホモシステインからシステイン及びメチオニンへの変換に関与するビタミンB6、ビタミンB12葉酸を一緒に摂取する事が重要になると思われます。

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