腹筋を割る方法について考える

「腹筋を割る方法」に関する情報をまとめたブログです。

筋トレ継続のためのコンディショニング・ケアの方法まとめ

ハードなトレーニングを行えば当然疲労しますが、その疲労の蓄積は思わぬ怪我に繋がる事もあります。特にトレーニングは継続する事が基本であり、長期に渡って中断せざるを得ないような大きな怪我は最低限予防しなければなりません。この記事ではそんなコンディションを整える方法、特にクールダウンの方法、アイシングの方法、ウォームアップの方法、オーバーユース、オーバートレーニング等について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

★当記事の目次

ここでは当記事内の章をリスト化しています。クリックする事で直接その場所へ飛ぶ事ができます。また戻りたい場合には各章の一番下にある「当記事の目次まで戻る」をクリックする事で再びこの場所に戻ってくる事ができます。

 

★クールダウン(クーリングダウン)について

●そもそもクールダウンとは?

ハードなトレーニングを行った直後には筋肉だけでなく、皮膚、骨、軟骨、靭帯、腱など、関節付近にある様々な組織にも疲労が蓄積しています。その疲労を次の日あるいはそのまた次の日までに取り除く事ができれば良いのですが、トレーニングは継続してこそ意味があるものであり、ハードなトレーニングを行っている人や、特定の部位を集中的に鍛えている人では、次第に回復が間に合わなくなっていく事があります。それが原因で不意に大きな怪我をすれば、長期に渡ってトレーニングを中断せざるを得ず、休んでいる期間には当然筋肉は萎んでしまいます。効率良く鍛えていく上でそれは避けなければなりません。

そこでハードなトレーニングを行った後には、次の日あるいはそのまた次の日までに、できるだけ疲労を残さないようにするための「ケア」が必要になってきます。特に運動直後に行うケアの事を「クールダウン(またはクーリングダウン)」などと言いますが、この記事ではその方法について簡単にまとめています。尚、ケアを行うのはトレーニングを行った「直後」はもちろんの事、実際にはトレーニングを行った後に行う食事や睡眠の取り方、更にはその次の日の行動なども含まれています。長期的なトレーニング計画であるほど、その積み重ねは重要なものになります。

 

●クールダウンで実際にすべき事とは?

レーニング後に行うクールダウンでは、簡単に言えば「運動を行って上がっていた体温を下げる」という事を行います。何故体温を下げる必要があるのかというと、単純に、体温が上がった状態というのは「運動に適した体の状態」であって、「休息に適した状態ではない」からです。心身を休めるためにはできるだけ平常時の体温まで戻し、身体活動レベルを抑える事が重要であり、そのためにクールダウンを行う訳です。ただし体温は下がり過ぎると血管が収縮し、血流が滞り、むしろ疲労物質が滞ってしまう事があります。よって体温は一気に落とすのではなく、なるべく緩やかに、かつ血流を促しながら落とす事が重要になります。

そのため運動直後のクールダウンでは、いきなり体を静止させるようなストレッチから行うのではなく、まずは軽めの運動、例えばジョギングなどを行うようにします。ここで行う軽度の運動は、血流を促して疲労物質を滞らせないようにする事が目的なので、意識的に深く呼吸を行い、ゆっくりとしたペースで、少し長めに時間を取って走ります。特に時間が決まっている訳ではありませんが、長めと言っても5~10分程度であり、誰かと一緒ならば談笑しながらでも構いません。尚、その際には筋肉を解すため、敢えて少し上へ跳ぶようにして走ったり、手をブルブルさせたりして全身の筋肉を震わせると効果的です。

それができたら一旦呼吸が整うまで少し待ち、落ち着いた後で、今度は体を動かしながらストレッチを行い、筋肉を解していきます。通常のストレッチでは反動を使わずに一定方向へ筋肉を伸ばし続けますが、それだと筋肉への血流が止まってしまうので、勢いを使ってリズミカルに体を動かしながら筋肉をほぐします。そのようなストレッチの事を「ダイナミックストレッチ(動的なストレッチ)」などと言い、軽度の運動を行った後にはそれを行います。もちろんダイナミックと言っても、汗をかくまで激しく体を動かす必要はなく、「筋肉を勢い良く伸ばす→戻す」という事を繰り返します。また勢い良くと言っても、自分の可動域内でコントロールする必要はあります。あまりに勢いをつけてしまうと関節や筋肉を痛めてしまいますからね。

それが終わったら最後に通常のストレッチ、すなわち反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばすようなストレッチを行います。そのようなストレッチの事を「スタティックストレッチ(静的なストレッチ)」と言います。ただしゆっくりと言っても、1回のストレッチにかかる時間は20秒~長くて30秒程度です。あまりに時間が長くなると、腱や靭帯など伸びてはいけない組織が伸びてしまったり、ストレッチを行った後、一時的に筋力が低下する事があるので、あまり念入りに行う必要はありません。ここで行うストレッチは「柔軟性を高める目的」ではないので時間は短めで構いません。そうして筋肉をゆっくりと伸ばしたら、最後に手で筋肉を揉みほぐしたり、例えば太ももを両手で掴んで左右に揺すったりしてみましょう。これでクールダウンは終わりです。夏場ではこの後に頭、筋肉、関節(首、脇、股間、膝の裏など)などを冷やしたりすると良いでしょう。また冬場では急に体温下がらないよう、逆にお風呂に入るという事もオススメです。それはお好みで構いません。

尚、クールダウンは基本的に運動を終わった後に行うものですので、特にハードなトレーニングを行っている人では、大きな疲労感や集中力の低下などから、どうしても一つ一つの動作が雑になりがちです。しかしハードなトレーニングを行う頻度が高い人ほど、運動直後のケアによる「積み重ね」は大きなものになります。一つ一つの行動が雑にならないよう高い意識を持って行いましょう。ちなみに高い集中力を要するようなトレーニングでは、無意識の内に首の周りや肩の周りの筋肉が緊張し、運動後に凝り固まっている事があります。そのため例えばスクワットを行ったら足だけをケアするのではなく、首や肩周りの筋肉も一緒にほぐしておきましょう。もちろんそうならないための「力の入れ方(顎を強く噛み締めない、呼吸を止めないなど)」を覚える事も重要です。

 

●クールダウン後に行うアイシングの方法

怪我をした後に行うアイシングでは、特定の部位を、少なくとも痛みや腫れが引くまで冷やし続ける必要があります。期間としてよく言われるのが「2~3日」で、その間は継続的に冷やし続けるべきです(基本は自分で冷やす前に病院へ行く。2~3日で症状が抑えられない場合、物理的に大きな損傷を伴っている可能性もある)。

一方、クールダウン時に行うアイシングでは、特に熱を持った筋肉、関節、首の根元、脇の下、鼠径部(太ももの付け根)などを重点的に冷やす事になり、運動に適した体の状態から休養に適した状態にするために体温を下げます。しかし運動後何時間も、あるいは何日も続けて冷やす必要はありません。特に体温が下がると血管が収縮し、血流が抑えられるため、そのままだと運動によって生まれた疲労物質も滞ってしまう可能性があります。それが原因で効率良く疲労を取り除く事ができなくなってしまうという事も考えられるので、実際に冷やす時間はごく短時間に留めます。長くても数十分程度にし、その後は常温に晒したり、あるいは逆に温めたりして血流を促します。また「休養」であるので、その間もその後もできるだけ安静に努めます。

尚、これはクールダウン後に行うアイシングの一例ですが、例えば15度程度の冷たい水を張った浴槽に1分程度浸かり、その後少し休憩して、今度は38度程度の温かいお湯を張った浴槽に同じく1分程度浸かります。それを10~15分程度繰り返すというような方法もあります。例えば短期間の内に何試合も繰り返すようなスポーツ選手でも、実際にこの方法を利用している事があり、これを運動後に行うクールダウンの更にその後に行う事で、一説によれば疲労回復効果が高まるとも言われています(浴槽を利用して全身で行う場合、心臓への負担には十分に注意する。見様見真似で行うのは危険)。

 

●そもそもアイシングとは?何のために行う?

例えば不意に足首を捻ってしまった時には、関節付近にある筋肉、腱、靭帯、骨、血管、軟骨、皮膚など様々な組織が損傷しています。もし血管が損傷していれば内出血を起こして血液が溜まり、損傷した細胞などがあれば老廃物として蓄積します。またしばらくすると損傷した細胞を修復しようとして血液や栄養素が集まり、修復の際の反応を促進させるために温度も上昇します。そうして新陳代謝を促し、できるだけ素早く患部を修復しようとします。

しかし必要以上にその反応が行われると、損傷していない健康な細胞にまで範囲が広がってしまい、逆に治るスピードが遅くなってしまう事があります。特に運動中のような「運動をするのに適した状態」での怪我では、ただでさえ血流が促進されている状態なので、そのままだと腫れや痛みが悪化しやすいです。そこで「アイシング」を行います。アイシングによって患部の温度が下がると血管が収縮し、血流が抑えられます。これにより患部で起こる反応を遅らせ、痛みや腫れなどを最小限に抑える事ができると言われています。

ちなみにアイシングは怪我をした直後から行うものと、クールダウンの際に行うものとで方法が変わります。前述のようにクールダウン時に行うアイシングはごく短時間ですが、怪我をした直後から行うアイシングでは基本的に2~3日程度は冷やし続ける必要があります。またその間は安静が必要です(詳しくは後述)。

 

●アイシングで重要な「RICEの法則」とは

特に怪我をした直後のアイシングでは「RICEの法則」という方法で患部を冷やす事が基本と言われています。RICEという4文字はそれぞれ英語の頭文字を取ったものであり、Rが「Rest」、Iが「Ice」、Cが「Compression」、Eが「Elevation」という意味を持っています。下記ではそれぞれを簡単に説明します。

・RICE処置のR(Rest)

最初の「Rest(レスト)」は「安静」を意味しており、アイシングを行う際には運動を行ったりはせず、安静状態にしておく必要があります。患部は損傷をしたその瞬間から修復するための反応が始まっており、血流があまりにも促進されるとその反応が過度に行われ、周囲にある健康な細胞にまで範囲が広がってしまう事があります。それでは逆に治りが遅くなってしまうため、アイシングではできるだけ安静が必要です。また固定して動かさないようにする事も重要になるでしょう。

・RICE処置のI(Ice)

2番目の「Ice(アイス)」ですが、これはその名の通り「冷やす」という意味があります。患部を直接冷やす事で血管を収縮させ、血流を抑え、そのように患部で起こる反応を抑えます。また内出血を伴う場合、それを最小限に抑える事も目的としています。

・RICE処置のC(Compression)

3番目の「Compression(コンプレッション)」ですが、これは「圧迫」という意味があります。患部の腫れは表面的に見れば体の外側に向かって盛り上がっているように見えますが、実際には体の奥の方向や横の方向など立体的にも範囲が広がっています。せっかく冷やしているのに、それでは血管が広がってしまい、血液の流入量を抑える事ができなくなってしまいます。また内部に出血を伴っている場合、患部が広がると出血の量も増えてしまいます。それではやはり治りが遅くなります。そこで怪我をした直後は患部に多少の圧迫を与え、範囲が広がらないようにすると共に、出血を抑える事が重要です。

ただし怪我の程度によっては患部の熱や腫れなどの「逃げ道」も必要になり、テーピングや包帯などで圧迫する際、一部分に隙間を作るなどの工夫が必要になる場合もあります。またあまりに強く圧迫すると鬱血してしまうので、緩める強さを調節したり、定期的に緩めたりする事も必要です。

・RICE処置のE(Elevation)

最後の「Elevation(エレベーション)」ですが、これは「挙上」を意味しています。前述のように患部の血流が速いと範囲が広がってしまい、怪我の治りが遅くなってしまう事があります。よって患部は心臓よりも高く挙げる事が重要になると言われています。

 

●怪我の際に行うアイシングの時間及び期間

怪我をした直後のアイシングでは、最低でも2~3日程度は患部を冷やし続ける必要があります。体重をかけた時の痛みの程度はもちろん、特に「平常時の痛み(何もしていなくても痛い・熱い・重いなど:特に修復が促進される睡眠時)」を基準に冷やし続けましょう。ただし患部で起こる様々な反応は本来「治そう」として起こる正常な反応です。アイシングの目的は「反応を起こさない事」ではなく「これ以上範囲を広げない事」「反応を遅らせる事」であるので、ただ単に冷やし続けるだけだと、今度は血流が滞ったままになり、それはそれで治りが遅くなってしまう事があります。

そこで、痛みや腫れが引いてある程度経ったら、少しずつ常温に置く時間を設け、それをアイシングと交互に行うようにします。少しずつで良いので、自分の体と相談しながら常温の時間を増やしていくようにします。もちろん最初は常温の時間を短く、アイシングを長めに行いますが、最終的には睡眠中だけ冷やすようにしていきます。それができたら今度は常温にしていた時間に「温める時間」を設け、それをアイシングと交互に繰り返すようにします。当然最初の温める時間は短く、アイシングを長めにし、これも少しずつ温める時間を増やしていくようにします。そうして最終的にはやはり睡眠中だけ冷やすようにする訳です。患部を温める場合の温度としては40度ぐらいが良いと思われます。

もちろんこれは自分の体の反応を見て上手く調節する必要があります。患部の温度が上がり、血流が促されると、それによって痛みや腫れが再発する可能性があるため、本当に少しずつ行うようにします。もし温めても痛みや腫れが出ない場合には、それらと並行し、可動域・柔軟性・筋力などを元に戻すためのストレッチあるいはトレーニングも行っていきます。それが病院などで行う「リハビリ(リハビリテーション)」と呼ばれるものです。まぁ病院では通常温める事はしません。温めるのはあくまで私の考えによるものです。

リハビリは本来、専門的な知識及び資格を持つ人しか指導する事ができないものであり、素人が見様見真似で勝手な事をすると、そのように悪化してしまう可能性があります。物理的な損傷があれば場合によっては手術が必要になる事もあり、それは個人の力だけではどうにもなりません。怪我をしたら程度に関わらず必ず整形外科へ行き、お医者さんの指示を聞きましょう(可能ならばレントゲンだけでなくMRI撮影もできるような、それなりに大きな病院が良いと思われる)。それをする前に個人でこれらを行うべきではありません。

 

●怪我をしてしまった際に効果的と思われる栄養素

まず炭水化物・蛋白質・脂肪は必須です。特に蛋白質では9種類ある必須アミノ酸トリプトファンフェニルアラニンメチオニン、リジン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンスレオニン)をバランス良く摂取し、その絶対量を確保する事が重要です。また脂肪では6種類の必須脂肪酸ω-3脂肪酸のα-リノレン酸DHAEPA、ω-6脂肪酸リノール酸・γ-リノレン酸・アラキドン酸)をバランス良く摂取する事が重要です。糖や脂肪は細胞の活動エネルギーとして重要です。ただし摂取量の管理は必要です。

もちろんビタミンも摂取します。ビタミンでは8種類のビタミンB群(ビタミンB1ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12ナイアシンパントテン酸葉酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンA(レチノール、β-カロテン)、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKをバランス良く摂取する事が重要です。特にビタミンB群は代謝の補助及び血液を作るのに、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEは抗酸化作用に、ビタミンCはコラーゲンの合成や免疫維持に、ビタミンDはカルシウム吸収促進と免疫維持に、ビタミンKはカルシウム吸収促進と止血などに必要です。これらもバランス良く摂取する必要があるでしょう。

更にミネラルではカルシウム、マグネシウムカリウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、(ナトリウム)などが挙げられます。カルシウムは骨の材用及び神経伝達に、マグネシウム代謝の補助及び神経伝達に、カリウムやナトリウムは水分代謝に、鉄と銅は酸素運搬に、亜鉛ヨウ素はホルモン分泌や蛋白質の合成などに必要です。これらもバランス良く摂取する必要があるでしょう。尚、ビタミン・ミネラルそれぞれの役割や摂取方法については過去記事をご覧下さい。

ちなみに抗酸化作用を持つカロテノイド類(リコピンアスタキサンチン、β-クリプトキサンチン、フコキサンチン等)やポリフェノール類(アントシアニン大豆イソフラボン、ケルセチン、ルチン、カテキン、クロロゲン酸、レスベラトロール等)の他、コラーゲン、コンドロイチン、グルコサミン、ヒアルロン酸などについても摂取しておいて損はありません。

もちろんこれらは前述したような怪我から復帰を目指すためのプロセス(アイシングから始まるリハビリ)において並行して行うべきです。また睡眠やストレス管理など、食事や運動以外の基本的な生活習慣も一緒に整えましょう。入院するような大きな怪我でもなければ、病院ではそのような指導をしてくれない場合が多いので、リハビリに関しては病院の指示に従うべきですが、栄養、睡眠、ストレス管理など運動以外に関しては個人でも改善するよう努めましょう。

 

★ウォームアップ(ウォーミングアップ)について

●そもそもウォームアップとは?

運動を行う際には準備運動を行って体温を上げ、筋肉や関節などへの血流を促し、それらの細胞がスムーズに働くようにしておく必要があります。特に血流を促す事によっては筋肉への栄養補給がスムーズになるため、パフォーマンスの向上に繋がる上、また疲労物質などをできるだけ滞らせず、疲労の蓄積が原因で起こる怪我を最低限予防する事ができます。それが「ウォームアップ(ウォーミングアップ)」の主な目的です。

特に気温の低い日が続く冬では、周囲の温度に合わせて関節や筋肉の温度が下がり、血管が収縮し、血流が滞ってしまう事があります。その状態では自分が持つ本来の能力を発揮する事ができないどころか、その状態のまま激しい運動を行うと、突発的な怪我はもちろん、やはり疲労の蓄積による慢性的な怪我に繋がるリスクも高まります。しっかりとウォームアップを行い、体を温めてから運動を行うようにしましょう。

尚、これはウォームアップ後に行う運動強度には関係がありません。どんなに慣れている運動であっても準備はしなければなりません。ただし環境によっては十分にウォームアップの時間が取れなかったり、そういったスペースが確保できない場合もあります。筋トレでは稀ですが、例えば運動部の試合などでは結構そういった事が多いです。そういう場合のためにも「どんな環境であっても、短時間で効率的に体を温める事ができるような内容」が重要になってきます。

 

●ウォームアップは単なる準備運動ではない

ウォームアップでは最終的に「運動をするために適した状態に体を持っていく」訳です。準備運動だからと言っていきなり激しく体を動かした場合、繰り返しになりますが、それが原因で予期せぬ怪我に繋がる事があります。よってウォームアップでは「少しずつ体を動かしていく(ただし長時間だと実際の運動を行う前に疲れてしまうので、効率的に体を温める必要がある)」という事が重要になります。

これはあくまで一例ですが、最初に軽めのジョギングから始めたとすれば、軽いジョギング(筋肉を振動させる)→準備体操(簡単なもの)→静的なストレッチ(筋肉を伸ばした状態で反動をつけずに数秒キープする)→動的なストレッチ(リズミカルに体を動かし、筋肉を振動させながら解す)→小休憩後、強度の高い運動を行う(一旦筋肉や神経にやや強い刺激を与える。全力ジャンプ、エアロビクス、ダッシュなど。ただし短時間)→一旦動作確認をする(一度軽めの負荷で)→実際のトレーニング・練習に入る・・・というような流れになります。このように段階的に体を温めましょう。

ただし例え「準備」であっても、ウォームアップはその日における「最初の練習メニュー」とも言える訳で、決して雑になってはいけません。特に体のキレや足の運びなどの「調子」は日によって異なるため、実はウォームアップは「その日の体の状態の確認」という役割もあります。例えばジョギングやストレッチでは、そのように意識的に体を動かして行う事で、「本格的な運動を行う前に筋肉の張りを調べる」事ができます。前もって自分の調子が分かれば、直前でもそれに合わせたトレーニングや練習メニューに変更する事もできます。毎回毎回運動前に行うのは大変ですが、そのようにウォームアップは「自分の体と対話をする時間」でもあり、今の自分の状態を知るためにも集中して行いましょう(ただしリラックスはする事)。

尚、そのような確認を行うためには「どのような動作を行うと、どこの筋肉が、どのように使われるか」をある程度知っておく必要があります。しかし毎回集中してウォームアップを続けていくと、例えばストレッチであれば「今の自分の柔軟性を考え、この程度の力加減で伸ばせば効果的」という事が少しずつ分かってきます。そのように「自分の体から得られた情報を元にして、運動前後のケアを工夫する(人から教わった方法をそのまま行うのではなく、まず自分の体を使い、それを元に頭で考えるという事。感性を大切に!)」という事が非常に重要で、それによってトレーニングはどんどん効率化させる事ができます。

 

★オーバーユースとオーバートレーニン

●オーバーユースとは?

オーバーユースとはいわゆる「使い過ぎ症候群」とも呼ばれ、慢性的な疲労の蓄積によって起こる様々な怪我の事を言います。例えば野球のピッチャーでは肘の関節や肩の関節付近に疲労が蓄積し、周囲の組織が損傷、それに伴って炎症を起こすなどして痛みを伴いますが、そのように何度も同じ動作を繰り返す事で起こるのがこのオーバーユースです。尚、疲労の蓄積とは言いましたが、疲労が蓄積した結果として突発的な怪我を伴う事もあります。

これを防ぐためには運動強度の調整、運動の頻度の調整、フォームの調整、力まずに行うなどの他、前述したような運動前後のケア、運動後の食事(運動をするしないに関わらず普段の食事内容)、睡眠の取り方、メンタルケア・ストレスケアなど様々な対策が必要になるでしょう。

●オーバートレーニングとは?

オーバートレーニング(またはオーバートレーニング症候群)とは、高強度のトレーニングを高頻度に行った事で、肉体的あるいは精神的な休養が間に合わなくなり、パフォーマンスが大きく低下してしまう事を言います。特にオーバートレーニングと聞くと肉体的なダメージをイメージすると思いますが、実際にはそのように精神的なダメージも大きく、モチベーションが大きく低下し、トレーニングの継続できなくなる事があります。これを防ぐためにはトレーニングで扱う重量を下げる、セット数やレップ数を抑える、その日に行うメニューを減らす、行う日の頻度を下げる、トレーニング以外でも何かリラックスできる事を探すなどの事が重要になります。

尚、人によってトレーニング種目には得意・不得意があると思います。得意な種目と不得意な種目を同じペースで行い続けた場合、どうしても筋肉の発達に差が出てしまいます。しかし得意な種目のペースをダウンさせずに、不得意な種目ばかりを重点的に行なった場合、活動と休養のバランスが崩れ、実はそれが原因でオーバーユースやオーバートレーニングになってしまう場合が結構あります。不得意な種目に重点を置くのであれば、得意な種目の方を少しペースダウンさせると良いかもしれません。