腹筋を割る方法について考える

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速筋と遅筋?筋肉に対する認識を改めよう

筋肉には瞬間的に大きな力を発揮する際に使われる「速筋」と、持久的に力を発揮する際に使われる「遅筋」があると言われています。この記事ではそんな速筋と遅筋それぞれの特性について私なりにまとめています。また筋肉でよく言われる「使える筋肉・使えない筋肉」「インナーマッスルとアウターマッスル」「筋肉痛と超回復」についても合わせて触れています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

★当記事の目次

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★速筋と遅筋について考えてみよう

●そもそも筋肉はどのような構造になっている?

筋肉の元になっている細胞には「ミオシン」と「アクチン」という2つの種類があり、それぞれ「フィラメント(囲いのようなもの)」という線状の蛋白質を構成しています。特にアクチンフィラメントは「Z膜」という膜で区切られており、Z膜の両端から中央に向かって何本も平行に伸びています。その間をやはり平行に並んでいるのがミオシンフィラメントで、2つのアクチンフィラメントに挟まれるような形で1つのミオシンフィラメントが繋がっています。このアクチンフィラメント・ミオシンフィラメント・アクチンフィラメントという一つ一つの区切りの事を「筋節(サルコメア)」と呼びます。尚、ミオシンフィラメントはアクチンフィラメントの間に入り込む事ができ、それが筋肉全体で起こる事で、筋肉は収縮する事ができます。

また筋節はたくさん横並びする事で「筋原繊維」を構成しています。またその筋原線維が束になったものが「筋線維(筋細胞)」、その筋線維が束になったものが「筋線維束」、更にそれが束になって「筋肉」を形作っています。もちろんこのような事を厳密に覚える必要はないのですが、単に「筋肉」と言っても、実はこのように緻密な構造をしているのです。ちなみにアクチンフィラメントとミオシンフィラメントは重なった部分と重なっていない部分があります。フィラメントは規則的に並んでいるため、重なっている部分は色が濃く、逆に重なっていない部分では色が薄く見えます。つまり見た目として縞模様に見えるため、これが「横紋筋」という名前の由来になっています。

●速筋線維と遅筋線維について理解しよう

前述した「筋線維」は大きく分けると2つの種類があると言われています。それが「速筋線維(速筋)」と「遅筋線維(遅筋)」です。それぞれの特徴を理解する事で、筋トレをより効率化させましょう。

・速筋線維とは?

「速筋線維(以下速筋)」とは、瞬間的に大きな力を発揮する事ができる筋肉の線維の事で、主に糖をエネルギーとする「無酸素運動」において利用されます。特に無酸素運動では「筋トレ」が分かりやすいと思います。筋トレでは筋肉に対して大きなストレスを与え、そのストレスに抗おうとする事で筋肉が大きくなりますが、その時に大きくなるのがこの速筋だと言われています。これによって筋肉は鍛えるほど大きくなり、見た目に大きな変化をもたらす事ができるのです。しかしその反面持久力はなく、その大きな筋力は長続きしません。

ちなみに無酸素運動を続ける事ができる具体的な時間は、最初にATPを使って運動を行う「9秒」と、その後にグリコーゲンを使ってATPを供給する「33秒」、すなわち合計40秒程度しか持ちません。つまり筋トレで言えば、1セット40秒以下にする事が重要という事がここから分かります。一方、最初に消費するATPはすぐに回復しますが、それを供給するグリコーゲンを消費し切ると、完全に回復させるまでには2日程度かかると言われています。つまり毎日激しい無酸素運動をするのは効率が悪いという事も分かります。

・遅筋線維とは?

「遅筋線維(以下遅筋)」は持久的に力を発揮し続ける事ができる筋肉の線維であり、こちらは酸素を使いながら、脂肪などのエネルギーを消費する「有酸素運動」において主に使われます。この遅筋は例え鍛えたとしても速筋のように大きくはならず、瞬間的に大きな力を発揮する事もできませんが、使い込む事によってエネルギー効率が高まり、運動を行う時間を伸ばす事ができます。ちなみにですが、実際には速筋と遅筋の両方の要素が混ざり合った「中間筋」もあると言われています。つまり速筋と遅筋では完全な役割分担をしている訳ではありません。要はどちらに適した性質を持っているかという事です。

 

●速筋と遅筋の特性から考える筋肉の役割

筋肉には共通して「収縮する事で熱を作り出し、周囲の血液を温め、それを全身へ循環させる事で体温を上げる」という重要な役割があります。つまり筋肉が大きいほど作り出す熱の量も増えるため、体温を維持する能力も高まります。一方で、速筋と遅筋ではその「熱を作り出す大きさと時間」が大きく異なります。

簡単に言えば、速筋は短時間で一度に大きな熱を作り出す事ができます。しかしすぐにエネルギーが切れてしまうため、その熱は長時間は持ちません。逆に遅筋は一度に大きな熱を作る事はできませんが、長時間に渡ってジワジワと少しずつ熱を作る事ができます。これを踏まえて考えてみると、例えば「脂肪が燃えにくく溜まりやすい」という体質を改善していくためには、速筋も遅筋も一緒に鍛えていく事が重要だと言えると思います。最近では「遅筋」の方がクローズアップされますが、決して遅筋だけが重要という事はなく、速筋と遅筋のバランスが重要です。

●速筋と遅筋の割合は生まれながらにして決まっている

しかしながら、この速筋と遅筋の「元々の割合」は「生まれながらにして決まっている(殆どは両親から受け継がれる)」という事が分かっています。生まれながらにして決まっているという事は、どれだけ筋トレをしようが、どれだけ長時間走ろうが、その生まれつきの割合を変える事はできないという事です。特にこの速筋と遅筋の元々の割合は、例えば陸上競技や水泳競技などタイムを競うスポーツにおいて、技術レベルが拮抗している者同士の競争になるほど顕著な差として現れます。この事から、実は生まれた瞬間に「スポーツにおける向き不向きが決まる」という事が言えてしまいます。

そのように聞くと「自分はこのスポーツには向いていない」「自分には才能がない」などと考えてしまうかもしれません。しかし実際にはそうではありません。何故なら我々のような一般人の場合、『見た目だけで「速筋と遅筋の元々の割合」を判断する事は難しい』からです。

 

●日本人は平均的に遅筋の割合が高いと言われている

そのように速筋と遅筋の割合は生まれながらにして決まってしまいます。しかし日本人は平均的に遅筋の割合が高い民族とされており、具体的には速筋が30%程度に対し、遅筋は70%程度あると言われています。これには何百年何千年も農耕民族として生き永らえてきた事が強く関係しており、この速筋と遅筋の割合だけを考えれば、日本人は「生まれながら長時間の有酸素運動を行うような競技に向いている」という事が言えると思います。ただしそれは「エネルギーを少しずつ使いながら体を動かす事に慣れている」だけであり、筋肉は使わなければ簡単に衰えてしまいます。いくら遅筋の割合が高くても機能しなかったら何の意味もありません。

またその「素質」というのは「速筋と遅筋の元々の割合の事だけ」を考えた場合の話であり、長時間の運動能力に関係している要素は他にもあります。例えば血管の太さ・強度・枝分かれ、血液を作る能力、ミトコンドリアの量・その能力、肺や心臓の大きさ・能力、ホルモンの分泌量やそのバランスなどです。もちろんこれらにも遺伝的な要素は関係してきますが、実はこれらは後天的に鍛える事が可能であり、使わなければやはり衰えてしまいます。いくら遅筋の割合が高くても、これらの能力がしっかり機能していなければ脂肪は効率良く燃えてくれません。

一方、逆のパターンもあって、例えそれらの素質全てが良い方向に働いたとしても、遅筋の割合が低いというような場合もあります。つまり体の使い方が上手く、練習を続ける事で長時間走り続ける事ができる人の中には、遅筋の割合的に見れば、実は長時間の運動には向いていない場合があるという事です。特にそれは例えば体育の授業のような、競技レベルが低い環境ほどあり得る事で、遅筋の割合が影響するほどにまで自分を追い込む必要がない場合、見た目の「長距離が速い」という主観だけでは、スポーツへの向き・不向きを判断する事はできません。ですから「自分は太りやすい体質なんだ」「自分は脂肪が溜まりやすい・燃えにくい体質なんだ」なんて誰にも分からないのです。

●貴方は筋肉が付きにく体質?本当にそう?

例えば陸上競技・男子100m走の決勝においては、現在ほぼ全ての選手が9秒台で走っており、日本人はそのスタートラインに立つ事すらできていません。あの舞台で走る事ができる海外の選手では、その速筋の割合が80%以上あるとも言われており、その割合だけを考えれば、彼らは生まれながらにして短距離走など「瞬発的な大きな力を要するような競技に向いている」という事が言えると思います。逆に日本人選手の殆どが未だに9秒台で走る事ができないのは、前述したように速筋の割合が低く、またいくら筋肉を鍛えたとしても、その元々の割合を変える事ができないからです。

特に速筋は鍛えれば鍛えるほど太く大きくする事ができるため、生まれつきの速筋の割合による差は、トレーニングを行うほど大きな差として現れます。例えば速筋の割合が30%程度しかない人と80%以上もある人が、同じペースで同じだけのトレーニングを続けた場合を考えてみると、当然速筋の割合が80%以上ある人の方が筋肉は太く大きくなりますよね。日本人選手がスタートラインに立つと、周囲の選手と比べて際立って体が細く見えると思います。日本人もハードで効率の良いトレーニングをしているはずなのですが、それでも埋められない差があるのです。

しかしながら、例えそのような瞬発的なスポーツであっても、速筋の割合や筋肉の大きさだけで全てが決まる訳ではありません。速筋の場合には特に「速筋の割合が高い=トレーニングの成果が見た目に分かりやすい形で出やすい」だけの話であり、速筋の割合が影響するほどまで自分を追い込んでいるような人でなければ、その「差」を考える必要はないはずです。もちろん「走る」という技術レベルが高い者同士での競い合いであれば、「あぁ・・・速筋の割合が低い日本人は不利なんだな」「骨盤の傾きや足の長さなど骨格的に不利なんだな」などと考えて良いかもしれませんが、それなら尚更、我々のような一般人が「日本人は速筋の割合が低いんだ=自分はそういうスポーツには向いていない」などと考える必要はないと私は思うのです。

 

★使える筋肉と使えない筋肉

まずはボールを使うような球技スポーツと、バーベルなどを使った筋力トレーニング(筋トレ)の「体の使い方」を比べてみましょう。

球技スポーツでは多種多様な状況の中で、瞬時に、かつ複雑に体を動かさなければなりません。特に球技スポーツでは対戦相手の人間あるいはボールという「必ずしも予測できるとは限らないもの」があり、それに対して瞬時に体を動かさなければなりません。そのためには例えば助走や反動など勢いを上手く利用し、無駄なく大きな筋力を発揮する必要があります。その方が余分な体力を消費せず温存する事もでき、試合終盤まで高いパフォーマンスを発揮する事ができるため、競技レベルが高くなるほど「余分な力を入れない事」が重要になります。

一方、通常の筋トレでは「特定の筋肉に効かせるような力の入れ方」をし、できるだけ反動を使わずに大きな筋力を発揮させます。つまり敢えて筋力を余計に消耗させるようにして力を入れ、筋肉に大きなストレスを与えるように体を動かす訳です。しかしそのような体の使い方は筋トレをでは効果的なものですが、球技スポーツではあまり役に立ちません。何故ならそのような体の使い方ではすぐに疲れてしまうからです。それは日常生活でもそれは同じです。例えば何か重たい物を持ち上げる際、勢いを利用した方が楽に持ち上げる事ができます。筋トレを行って筋力が上がっても、疲れるような体の使い方をしていたら何の意味もありません。

世間一般ではこれが「使えない筋肉」「使えない筋肉」と呼ばれる大きな理由になっています。バーベルやダンベルなどを利用する「ウェイトトレーニングで鍛えた筋肉」は、スポーツや日常生活では役に立たない「使えない筋肉」とされ、例えば「怪我をしやすくなる」「体が固くなる・可動域が狭くなる」など、ネガティブな印象を持っている人が多いです。特に筋肉が大きくなると見た目的にも大きな変化を伴うため、そういうネガティブな印象も強くなりがちです。逆にウェイトトレーニングはせずに、実際のスポーツの動きの中で鍛えられた筋肉は「使える筋肉」あるいは「自然な筋肉」などと呼ばれ、ポジティブな印象を持っている人が多いです。しかしこれは間違った印象です。

特に筋トレを行って筋力が上がると、その筋力に頼った「力任せの体の使い方」に変化してしまう人がいます。プロスポーツでもそういう選手は多いです。例えばボールを前方に向かって投げる時、顎を強く噛み締めていたり、首の根元の筋肉や腕の筋肉などに力を入れた状態のまま腕を回そうとすると、体が上手く連動せず、球速のあるボールを投げる事ができません。筋力が上がり自信がつくと途端にそのように体を動かしてしまう人が多いのですが、せっかく筋力が上がったのに、その筋力を無駄遣いするような体の動かし方をしてしまったら意味がありません。しかもそのような人は疲労が蓄積しているのに毎日の習慣だからと無理に筋トレをするなど、コンディションを考えずに「肉体を消耗させる事」に固執してしまいます。それらが怪我に繋がったり柔軟性を低下させる原因になっていると私は考えます。つまり筋肉を鍛えた後どうなるかは結局個人の問題なのです。

もちろんボディビルダーのように筋肉を大きくする事を重視したトレーニングを行えば、関節の可動域が狭まる可能性はあると思います。しかし一般人が「鍛える」と言う程度のトレーニングでは、可動域を狭めるほどの影響は及ぼさないと言われています。やはりそのように精神から来る「体の使い方」に問題があったり、肉体のケアが疎かになっている事による問題の方が大きいのです。決して筋肉のつき方、筋力の大きさ、鍛え方などの問題ではありません。それは一般の人でも同じ事が言えます。大きな筋力が必要のない環境にいる人にとっては、ボディビルダーのように筋肉を鍛える必要がありませんから、「大きな筋肉は役に立たない筋肉」に見えますし、あれだけ鍛えるメリットも何もないように感じます。しかしボディビルダーの人にとっては、ボディビルを行うためには大きく筋肉を鍛える必要がある訳ですから、その人にとっては「役に立つ筋肉」ですし、球技のような体の動かし方を覚える必要はないのですから、一般人が言う「役に立つ筋肉」を目指す必要もない訳です。

「不自然な筋肉」という言い方をするとすれば人間は皆不自然です。例えば階段を上り下りするための筋肉やその体の使い方は、森の中で生活をしていれば必要ないものですし、天然の野菜だって人間によって選別されてから店頭に並んでいる訳で、「自然の中で生活し、人の手が加わっていないものだけを利用する」事などできない訳です。その意味では現代人の殆どが不自然だと言えるのではないでしょうか。我々一般人からすればどんなスポーツ選手でも、その競技をするために筋肉を鍛えている時点で不自然ですし、ボディビルの中で生きている人からすれば、我々のような一般人の方こそ「何で筋肉を鍛えないんだろう」と不自然に見えると思います。つまり結局価値観は人それぞれであり、その人にとって筋肉が必要ならばそれを求めれば良いのです。

ちなみにですが、例えば重たいバーベルを持ち上げるウェイトリフティングの選手。ボディビルダーのように体を鍛えていて筋肉が大きいのに、彼ら普段から「瞬間的にバーベルを挙げるようなトレーニング」を行っているため、垂直跳びなんかでは90cm以上も跳ぶ事ができます。それだけのジャンプ力があればバレーボールやバスケットボールでは有利に働きそうですよね。しかしボールの扱いには慣れていないので、バレーボール選手のようにバレーはできません。何が言いたいのかというと、「使える筋肉・使えない筋肉」というのは結局「体の使い方」の問題なので、トレーニング次第でどうにでもなる訳です。もちろんボディビルダーの人が球技スポーツにあるようなトレーニングを行って、それが実際ボディビルにどう役に立つのかはまた別の問題ですが。

 

インナーマッスルとアウターマッスル

体の表面から触れて確認する事ができる筋肉の事を「アウターマッスル(表層筋)」、そのアウターマッスルの内側にあって、体の表面からは確認する事が難しい深部の筋肉の事を「インナーマッスル(深層筋)」と呼ぶ事があります。ただしこのアウターマッスル・インナーマッスルという名前は、我々が勝手にそう呼んでいるだけで、実は明確に区別するための基準は存在しません。

特にインナーマッスルを鍛える事による効果でよく言われるのが、「深部から体を温め、冷え性の改善ができる」「ボールを速く投げる事ができるようになる」「単純に柔軟性が上がる」「怪我をしにくくなる」などです。そのようにインナーマッスルはとりわけ「特殊な機能を持った筋肉」のように扱われる事も多く、そんなインナーマッスルを鍛える事は、アウターマッスルを鍛えるよりもメリットが大きいと多くの人が考えています。しかし決して「インナーマッスルの方が優秀」「アウターマッスルを鍛えてもメリットがない」なんて事はありません。

まず筋肉は収縮する事によって熱を作り、周囲の血液を温め、それを全身に循環させる事で体温を高める事ができます。これは特に気温の低い時期では非常に重要な機能です。しかしインナーマッスルは基本的に細く、小さな筋肉ばかりで、大きな力を発揮する事はできません。しかもインナーマッスルは使えば機能は改善しますが、アウターマッスルのように太く大きくはなりません。つまりアウターマッスルの方が熱を作り出す能力は高いと言えるため、体を温めたいのであれば、アウターマッスルを鍛えて大きくした方が効果的だと思われます。

また筋肉は「グリコーゲン」という物質をエネルギーにして動きます。このグリコーゲンはブドウ糖から作られる糖の一種で、筋肉内に一定量蓄える事ができ、筋肉が大きくなるとそのグリコーゲンの貯蔵量も上がります。つまり筋肉を鍛えると筋肉が「糖の逃げ道」になる訳です。特に糖は時間が経過すると脂肪として蓄えられてしまう事はもちろん、糖化反応(蛋白質や脂肪に糖が結合し、分子の機能を低下させる)に使われてしまうため、それを予防する事が重要です。しかしインナーマッスルはそのように細く小さいため、元々のグリコーゲンの貯蔵量が少なく、鍛えたとしてもアウターマッスルのように太く大きくする事はできないので、グリコーゲンの貯蔵量を増やす事も難しいはずです。よってこれに関しても、アウターマッスルのような大きな筋肉を鍛えた方がその効果は高いと思われます。

尚、「インナーマッスル」と呼ばれている多くの筋肉は、アウターマッスルが大きな筋力を発揮する際、骨の位置を調節し、関節を安定化させる役割があると言われています。これは別の言い方をすると、「インナーマッスルが単独で働くような動作は存在しない」という事です。そう考えるとインナーマッスルだけをピンポイントで鍛える意味はあまりないかもしれません。そもそも「体の使い方」がなっている人では普段から自然にインナーマッスルが使われているはずで、インナーマッスルを意識的に鍛える必要がある場合というのは、効率の良い体の使い方ができていない人、食事量や意識的な運動習慣が少なく全身の筋肉量が少ない人、怪我などからの復帰を目指す人、スポーツ等激しい運動を行う人だけでしょう。基本的にはアウターマッスルを鍛えるメリットの方が大きいはずです。

 

★筋肉痛とは?何故起こる?

いわゆる「筋肉痛」とは、激しく体を動かした次の日やその次の日において、特定の筋肉に特有の痛みを伴う症状の事を言います。何が原因で筋肉痛になるのかについては様々な説がありますが、現在では「生成された疲労物質や老廃物等(乳酸やリン酸等)が蓄積し、それが神経を刺激する」事によって起こると言われています。

筋肉痛は筋肉に対して大きな負荷を与える「筋肥大を目指すようなトレーニング」では避けては通れません。一方、筋肉痛は「筋肉が伸ばされながら力を発揮する」ような筋肉の収縮を繰り返す事で起こりやすくなると言われています。通常の筋トレでは、筋肉を伸ばす際、負荷に耐えるようにして少し緩やかに戻します。何故そのような事をするのかというと、その方が筋肉が伸ばされる際にも筋肉へストレスを与える事ができ、効率的なトレーニングが可能になるからです。つまりその際に脱力する事で、多少は筋肉痛を軽減する事ができると思われます。

尚、筋肉痛が起こる起こらないに関わらず、筋肉に対して大きなストレスが与えられれば、筋肉は成長する事ができます。つまり「筋肉痛=筋肉の成長」とは必ずしも言えないという事です。運動を行った翌日に激しい筋肉痛になると、筋肉に上手く力が入らず、トレーニングを休止せざるを得なくなったり、不意に足を滑らせるなどして思わぬ怪我に繋がる可能性もあります。トレーニング計画を考える上では、筋肉痛を上手くコントロールする事も重要になる場合があります。

ちなみにこれは筋肉痛とは違いますが、瞬発的な筋肉の収縮(高負荷に限らない)を繰り返した際、筋肉に焼け付くような痛みを伴う事があります。そのような症状を俗に「バーニング(バーン)」などと呼ぶ事があります。分かりやすい例で言えば、左右どちらの手でも良いので、グーとパーをできるだけ素早く繰り返してみて下さい。そのまま繰り返していくと、次第に前腕で焼け付くような感覚が得られると思います。それこそがバーニングです。これは運動を行った際に発生するアデノシンなどの代謝物が侵害受容器(痛みを受け取る場所の事)を刺激し、神経を過敏にする事で起こると言われています。

 

超回復とは?そもそも何?

筋肉に大きな負荷を与え、それによって筋肉の細胞あるいは線維が傷つくと、負荷を与える以前を上回るようにして修復が行われると言われています。これを俗に「超回復」と呼ぶ事があります。超回復は筋肉へ大きな負荷を与えた後の休息時、特に睡眠中に行われるとされており、この超回復を引き起こすには筋肉への大きな負荷、十分な睡眠、十分な食事など、これらのバランスが重要になると言われています。

一方、最近では筋肉の成長は「ストレスに対する反応」と言われています。つまり与えられたストレスから身を守ろうとする事で、筋肉の細胞を肥大化させ、それに伴って筋力も上昇するという事です。また「筋肉痛」と聞くと炎症が起こっているように思ってしまいますが、実際には「筋肉の細胞が傷つく」と言っても本当に微細な損傷だけで、炎症を伴うほどの損傷は起こらないと考えられています。確かにストレスを与える以前より筋肉は大きくなりますが、「修復が過剰に行われている」のではなく、「合成が促されている(蛋白質だけではなくグリコーゲン等の合成も促進)」の方が正しいと思います。

尚、俗には「アナボリック」という言葉もあります。このアナボリックは「筋肉の合成が促された状態」を言うようで、意味的には超回復と少し似ています。逆に「筋肉の分解が進んでいる状態」の事を「カタボリック」と言う事があります。こちらはついつい不摂生をして筋肉量が減った時に、「カタボった」なんて使い方をします。