バリンの効果と摂取方法まとめ

バリンはアミノ酸の一種です。特に蛋白質を形作るために必要不可欠な「必須アミノ酸」の一種であり、人体にとってなくてはならない栄養素の一つです。ちなみにバリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸の事を「分岐鎖アミノ酸（略称：BCAA）」と言います。

通常、アミノ酸の主に肝臓で代謝されます。バリンも肝臓内で代謝され、アンモニアの代謝を調節し、肝臓の機能を維持する作用があると言われています。一方、バリンの多くは筋肉で代謝され、特に筋肉にある蛋白質の材料として利用されます。そのため激しい運動をする習慣のある人ほど必要量は多くなります。不足すると筋肉が必要以上に分解されたり、肝臓の機能が低下したり、あるいは食欲が減衰する事もあります。また糖が不足した際、バリンは糖の代わりにエネルギーになる事もできます。このようなアミノ酸の事を「糖原性アミノ酸」と言います。

この他、バリンは脳の血液関門を通過する際、同じく必須アミノ酸であるトリプトファンと拮抗します。トリプトファンは心身を活性化させ、精神を安定化させる「セロトニン」の材料に、またセロトニンは睡眠に必要な「メラトニン」の材料になっています。このためバリンはその合成を制御する役割も持っていると思われます。

尚、食品では肉類（鶏肉、豚肉、牛肉など）、魚類（カツオなど）、乳製品（チーズなど）、大豆製品（豆腐、キナコなど）、ナッツ類（カシューナッツなど）、卵などに多く含まれ、その他では穀類にも含まれています。蛋白質が豊富であれば基本的にバリンも含まれているため、不足する心配はありません。ただしそのように運動量が多い場合、不足する事があります。そのため現在では運動前～運動中に摂取する「BCAA（サプリメント）」として認知されています。