ケルセチンの効果と摂取方法まとめ
ケルセチン(クェルセチン)はフラボノイドの一種(フラボノイドはポリフェノールの一種)で、基本的にはルチンやクェルシトリンなどのように糖が結合した「配糖体」という形で存在しています。食品では特に「タマネギ」や「ダッタンソバ(後述)」に豊富に含まれている他、柑橘系の果物、イチジク、コーヒー、ピーマン、緑茶、ワイン、クランベリーなど、様々な食品に含まれているようです。
そんなケルセチンですが、ルチンのようなケルセチンの配糖体と、通常のケルセチンとでは、吸収率と抗酸化作用の強さが異なると言われています。どちらも期待されるものは同じで、例えば抗酸化作用、免疫維持、血の巡り等に関する作用(病気を治すような強い効果ではない)などが謳われていますが、配糖体の方では吸収率が高い代わりに抗酸化作用が弱く、逆に通常のケルセチンの方は吸収率が良くない代わりに強い抗酸化作用があるという特徴があります。そのため基本的にはルチンなど配糖体の形で摂取し、抗酸化作用はビタミンCやビタミンEなどを一緒に摂取して補うと良いかもしれません。
特にルチンを豊富に含む食品では「ダッタンソバ(中国やモンゴルなどに自生するソバの品種)」が挙げられ、通常のソバと比べ、数十倍~100倍もの含有量を誇っていると言われています。そのためルチンを摂取したい場合、ダッタンソバ(麺状のソバあるいは捏ねた蕎麦掻など)がオススメです。
ただしダッタンソバには「ルチンを分解する酵素」も豊富に含まれており、水を加える事で容易に加水分解され、遊離したケルセチンになってしまいます。その作用は強力で、水を加えて数分程度で行われると言われています。そのためまず酵素の働きを熱によって十分に失活させた後か、加熱しながら水を加えて捏ねるような調理が必要になります。特に高濃度ケルセチンは強烈な苦味をもたらすため、調節に失敗すると、とんでもない苦味のあるソバになってしまいます。調理には工夫・技術が必要になると思われます。
ちなみにルチン自体は水には殆ど溶けません。「水に溶ける」という説は、一時期ルチンの健康効果が話題になった頃に生まれた迷信なので注意しましょう。またルチンは本来熱に強いのですが、ケルセチンは加熱により酸化・分解されやすいです。その他、日本で一般的に「ソバ」に使われている品種は、元々ルチンやケルセチンの含有量が少ないです。ソバ=健康ではない(運動をせずに食べいたら糖質の摂り過ぎになる)のでその点も注意しましょう。