アマランサスに含まれている栄養素とその食べ方まとめ

●アマランサスとは？

アマランサスはヒユ科ヒユ属の植物、及びその種子の事です。原産は南米とされており、15世紀頃に存在したインカ帝国において、既に栽培・食用にされていたという記録が残っています。その後19世紀頃にはインドなどで栽培され、日本には江戸時代に観賞用として伝わったのが最初と言われています。その栄養価の高さから「スーパーフード」として注目されており、近年需要が高まっている食品の一つです。

●アマランサスに含まれている栄養素

アマランサスは全体的な栄養価が高く、糖質、蛋白質、ビタミンB6・葉酸、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛、食物繊維など栄養素が、いずれも豊富に含まれています。アマランサスと同じくスーパーフードと言われているキヌアと違う点は、アマランサスの方がビタミンB群の栄養価はやや劣り、鉄と亜鉛に関してはアマランサスの方が多いという事です。つまりアマランサスはミネラルの栄養価に優れています。

尚、アマランサスは穀類の一つにも数えられており、糖質が豊富に含まれています。特に我々日本人が主食にしている白米と比べ、そのように全体の栄養価が高いため、白米の代わりとして利用価値が高いです。また白米の量を減らして代わりにアマランサスを使ったり、粉末状にしてお菓子に混ぜたりなど、様々な使い方ができます。

ただ、ネックになるのは白米よりも値段が高いという事です。毎日主食として白米の代わりに利用しようとすれば、かなりの出費になります。現時点では残念ながら「気が向いた時、たまに食べる」という食べ方しかできません。まぁ裕福な人は可能かもしれませんが・・・日本でも手軽に商業栽培ができれば良いんですけどね。

●アマランサスの欠点を考える

敢えて欠点を挙げるとすれば、アマランサスではβ-カロテン、ビタミンB6・葉酸以外のビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの含まれる量が少ないという事です。前述のようにアマランサスの特徴はミネラルの栄養価であり、実はビタミンではそのように欠けている部分が多いです。β-カロテン・ビタミンC・ビタミンKは緑黄色野菜や果物などから、ビタミンDは魚類やキノコ類から、ビタミンEはナッツ類などから摂取するようにしましょう。

またビタミンB群に関して言えば、その一部は腸内細菌によって体の中から補う事ができます。またビタミンB群は様々な食品に含まれているため、よっぽど不規則な食習慣をしていない限り、不足する心配はありません。しかし好き嫌いやアレルギーなどで栄養バランスに偏りがあったり、運動量や筋肉量が多かったり、食が元々細くてアマランサス以外の食事が疎かになっていたり、あるいは腸内環境が崩れやすい人などでは不足する可能性はゼロではありません。特にビタミンB群は水溶性ビタミンであり、体に長期間蓄えておく事も難しいため、個人的にはサプリメントを利用して定期的に補給する事をオススメしておきます。もちろん食品からも摂取すべきです。

この他、アマランサスはそのように蛋白質が豊富なのですが、植物性の食品なので、動物性の食品よりも必須アミノ酸のバランスは劣ってしまいます。よって肉、魚、乳製品、卵などのような動物性の食品を一緒に食べたり、同じ植物性で蛋白質を豊富に含む大豆やナッツ類を追加、あるいはプロテインなどで蛋白質を別途補給する必要もあるでしょう。またアマランサスは低脂肪ですが、糖質と蛋白質が共に豊富なため、カロリーが高くなっています。このため運動量や筋肉量が多い人以外では、アマランサスを食べる事でエネルギーが過剰になる可能性もあります。アマランサス＝健康などと安易に考えるべきではありません。運動とセットです。

●アマランサスの食べ方

アマランサスは基本的には白米と同じような扱い方で問題ありません。摂取量の目安も特にありません（150g程度で540kcalとカロリーは高い）。普通に炊飯したり、あるいは鍋で茹でるなどして火を通すと良いでしょう。ただしあまりに高い温度で加熱してしまうと、せっかくの栄養成分が失われてしまうのでほどほどに。水洗いも控え目で構いません。

もし栄養価を落とすのが嫌なら、弱火かつ短時間フライパンで炒めた後、粉末状にしてヨーグルトに入れたり、サラダにかけるなどして食べると良いでしょう。特にアマランサスでは、生の状態でも消化吸収に問題はないと言われています（蛋白質は加熱した方が吸収は良くなる）。そのため栄養素を効率良く摂取したい場合、敢えて加熱せず、そのままミキサーで粉砕し、それを飲み物に混ぜて飲むのも良いと思います。